C.環境同好会と2000年問題

千葉高に環境同好会(後のエコミュニケーション部)が発足し、私が顧問になりました。

その頃、西暦が2000年になった瞬間に世界中のコンピュータがそれに対応できずにバグを起こし、大変なことになるのではないかと危惧されていました。いわゆるコンピュータの2000年問題です。

臨戦態勢の核弾頭が発射されたり、原子炉が暴走したり、電気・ガス・水道などのインフラが、ストップしてしまうのではないかなどが危惧されていました。エコミュニケーション部のメンバーは、当時のアメリカ大統領に手紙を書き、「核弾頭を臨戦態勢からはずして欲しい」と訴えていました。

そんな状況の中で、同好会メンバーから「電気ガス水道が止まってしまった時の状態を体験してみよう」という話が出ました。参加者約10名で早速実行です。

地震などの災害時にインフラがストップした時の千葉市からの給水量は、1人当たり1日3リットルです。生き延びるのに必要な最低限の量です。

私たちは午後4時から9時まで学校に残り、中庭で夕食を作り、その間一人当たり1リットルの水です過ごすことにしました。もちろんその間、電気ガス水道は一切使いません。ただしトイレだけは自由に使っていいことにしました。

料理のための釜は、石油の空き缶を加工して作りました。燃料は、大量にあった牛乳パックや新聞紙やその辺に落ちている木切れなど。ローソクや食材などは事前に用意しておきます。

ここで皆さんにちょっと想像して欲しいことがあります。

もし、1人でこれをやるとなると、たった1リットルの水で野菜を洗い、ご飯を炊き、味噌汁を作り、食器を洗う。さらに飲料水にもしなくてはなりません。これは相当厳しい。

しかし、10人が1リットルずつ出し合って10リットルの水を分かち合って使ったら、なんと余裕で、何の不都合も感じませんでした!これは実に大きな発見でした。

「奪い合えば足らない。分かち合えば足りる」を実感しました。
「人々がバラバラになればなるほど資源消費量が増える」とも実感しました。
仲良く暮らすことは、最高の環境対策だと思います。

ところで、すぐに夕食準備に入りましたが、早速問題が発生しました。野菜、特に泥つき野菜を洗うのに大量に水が必要だとわかったからです。しかし、ここで生徒が技術革新を起こしました。

ビニール袋に水を入れ、その中に野菜を投入すると、驚くべき少ない水で野菜を洗えることがわかりました。「おー!」という軽い感動がありました。

そして、ようやく夕食の完成。
なかなかおいしかったことを覚えています。

夕食の後片付けが終わると、生徒は地学室に集合していました。
暗闇の中で、ロウソクの灯りで反省会をしていました。
もちろん生徒が自主的に始めたのです。
ロウソクの灯りでのミーティングはなかなか幻想的でした。

そして、次々と反省点と次回に向けての改善点が提案されてゆきます。
実にテキパキと話が進み、私は感心してみていました。

この企画は生徒にとっても私にとってもとても得るものが多かったと思います。
何より、とても楽しかったですし(笑)

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歴史科学生

先生のブログを読ませていただきました。
はじめまして、2010年卒業生の現在歴史科学生です。

さて、先生には、感謝してもしつくしきれないほどです。
つまり、たしかに、千葉高の「千葉高性」とは、今まで断片的に千葉高にかかわる誰もが感じていながらも、あまり明文化されてこなかったものだからです。
先生は、さながら、千葉高における司馬遷です!

いま、わたしは、卒論へ向けてさまざまな文献にあたっています。その卒論における問題意識は、やはり千葉高で学んだものに大きく依拠するようです。意識せずとも、「ああ、これは千葉高でやったなあ」ということが、浮かんでくるわけです。これはまさに、千葉高の素晴らしい先生と熱心な生徒との相乗効果によって生み出された学問的先端性の表れではないかと思います。

最後に、わたしも千葉高生であった自己に恥じることのないように、生きていきたいと思います。
                                  育 拝
by 歴史科学生 (2012-07-26 00:47) 

鈴木菜生

森谷先生
これまでの教師人生、本当にお疲れ様でした。
再会が叶わず残念でなりません。
教壇から離れてもなお、先生は様々な影響を与えてくださいました。
時に弱った気持ちを奮い立たせてくださいました。
先生からいただいた教え、先生の笑顔、絶対に忘れません。
ありがとうございました。
どうか、どうか安らかにお休みください。
by 鈴木菜生 (2012-08-07 19:56) 

川島

【我が愛しき教え子の皆様方へ】運営者 様

初めまして、川島と申します。
様々な分野でのメディア運営や大手企業様のWebプロモーションなどのサービスを提供している会社で勤務しております。
このたび、貴媒体から有料でリンク設置して頂けないかご相談をさせて頂きたくご連絡差し上げました。(相互リンクが難しいため)

弊社は現在、クライアント様のウェブプロモーションをしております。
現時点ではクライアント名を述べることはできませんが、世間一般に名の通った大手企業様です。

そこで、有料契約にて貴媒体からのリンク設置をお願いしたくご連絡差し上げました。
貴媒体は有用な情報を掲載されており、是非リンク設置をお願いしたいと考えております。
クライアントも、貴媒体からの広告掲載・タイアップを熱望しております。

アフィリエイト会社を通さない掲載となりますので、貴社にとっても金額面等を含めて『良い条件』をご案内できるのではないかと考えております。
是非、掲載位置や料金等のご相談をさせて頂ければと考えておりますが、ご意向をお知らせ頂ければ幸いに存じます。
誠にお手数ではございますが、ご返信は下記連絡先にご連絡頂きますようお願い致します。
E-mail: ik-web@outlook.com  川島
(メールアドレス自動収集ロボットなどの対策のため、上記メールアドレスには全角の「@」を記載しております。
 お手数ですが、お返信の際は半角の「@」に変更してください。)
 
何卒宜しくお願い致します。
by 川島 (2014-04-25 19:00) 

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